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相続の新潮流「家族信託」2017年版!親の認知症による資産凍結リスク回避?

 
最近は、私達の生活している日常でも、認知症についての話題が多く交わされるようになりました。

介護している家族は、ケアマネージャーさんに相談しながら、デイサービスなどの施設を利用しつつも、ゴールの見えない介護との闘いに疲弊している毎日です。

そんな中2025年には、65歳以上の実に5人に1人が認知症になるというニュースがありました。

みなさんは、認知症になると、その方の資産が凍結されてしまうことがあるということをご存知ですか?

資金が凍結してしまえば、銀行の預金も引き出せません。

親がこの先生きていくための費用は、いったいどうすればよいのでしょうか?

そこで今回は、そんな資金凍結というリスク回避のための秘策、家族信託についてご紹介します。
 

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親が認知症で資産凍結になるリスクとは?

例えば、親が認知症になり、銀行で口座の暗証番号を忘れてしまい、銀行員とやりとりすることがあったとします。

銀行員がいくら丁寧に説明しても、親は話が理解できず、銀行員は明らかに認知症であると判断し、預金者保護の名目で、親の口座を凍結してしまう。

そんなことが実際に起こっています。

いったん資金凍結されてしまうと、例え子供のあなたが代わって銀行へ行ったところで、預金を下ろすことはできません。

そうなると、当座の親の食費から、将来の介護施設にかかる費用など、全てにおいてお先真っ暗です。
 
 
また、認知症であれば、実家を売却して、介護施設に入る費用を捻出しようにも、売買契約が正式に結べないなど、法律行為自体にもストップがかかってきます。

あなたに肩代わりするだけの資産があれば良いかもしれませんが、なかなか一般的にはそうはいきませんよね。

何か事前に対策できる良い方法はないものでしょうか?
 
 

家族信託とは

 

2007年9月に信託法が84年ぶりに大きく改正されました。

信託というのは、委託者(願いを依頼し、託す側)が信託行為(例えば信託契約や遺言など、相手を信頼して、願いを託す行為)によって、受託者(その信頼できる相手)に対して、お金や土地・建物などの財産を移転し、受託者は委託者が設定した信託目的(願いを託す目的)に従って、受益者(利益を受ける人)の為にその財産(信託財産)を管理・処分などをする制度を言います。

信託には商事信託(営利目的のもの)と民事信託(営利目的でないもの)があり、家族信託は、家族・親族間で取り交わされる民事信託にあたります。

【例】
委託者【父】 ⇔ 受託者【長男】(信託財産が移転)⇔ 受益者【父】

父が長男と信託契約を行い、財産の管理を依頼。父が元気な間は、親子で相談をしながら、財産を管理。父が認知症になってからは、長男が財産を管理する。

将来的に、父が亡くなった後、受益者を【母】となるように、設定されているため、一人暮らしとなる母についても、家族信託が適用されるようになっている。
 
上記のように、資産を持つ人が、特定の目的に従って、その資産を家族に託し、管理や処分を任せるしくみを、家族信託と言います。

家族信託には、様々なパターンがあり、【例】のように委託者が元気なうちに、受託者と信託契約をして成立する場合や、委託者の遺言によって成立する場合、委託者兼受託者として、事業などをしている親が、子に残す資産を親の資産と分けて、親が管理するような場合があります。
 
 

家族信託を利用するメリットと親の説得術

・家族信託は、以前からあった成年後見制度に似ています。
成年後見制度では、当事者の判断能力が不十分になった段階で利用でき、身上監護権が認められるため、法律上の契約手続きなどを代行することも可能です。

しかし基本的に本人の財産を減らさないように管理するため、積極的な資産の活用や、生前贈与、相続税対策はとれないことが多いのに対し、家族信託は、委託者の思いに沿って、家族の責任と判断で柔軟に対応できます。

また成年後見制度では、毎年家庭裁判所への面倒な報告義務の負担が発生します。

・積極的な資産活用により、思いに即した資産継承を実現できる。
例えば、2次相続=相続税の2回目(1回目;父から母(妻)・子 2回目;母から子)
が増えないように、資産継承の仕方を決めておくなど。

(相続税資金となるように、現金を生命保険に変えておいたり(非課税扱いになるので)、賃貸不動産は家賃収入があるので、1次相続で子供へ相続させ、妻の遺産が増えないことで、2次相続時には、子の相続税が抑えられるなど。)

・不動産の共有相続のトラブルを回避するため、存命中に共有相続予定者の1人を受託者とし、管理・処分の権限を集約させておく。

・信託財産に関係のない部分で、多額の債務を負っても、信託財産は差し押さえられない。

・孫の教育資金の一括贈与が1500万円まで非課税で贈与出来る制度を活用できる。

・受益者を変更するのに、遺言書も遺産分割協議書も必要ないので、委託者=受益者=父で、受託者=長男の家族信託契約を、父の死後は受益者は母(妻)となる旨を設定できるので、無用な相続時の争いを軽減することも可能。
 
 
このように、家族信託を利用することで、委託者が元気なうち→認知症になってから→死後を通して、親の意思を叶える財産の管理・運用・処分を実現できるのが魅力です。
 
財産を当てにしているのではなく、親が元気なうちは、親子で一緒に資産活用について考えることができ、将来は親の介護をサポートするにあたって、子供が資金に困ること無く、親が快適に過ごせるよう尽力できること、そして、親の死後に極力相続争いが起こらないよう対策しやすいことを、親子が納得の上で家族信託が利用出来れば、相当価値のあるものになるのではないでしょうか。

もし、子供であるあなた自身にも、お子さんがいるような場合、あなた自身が、「将来子供と家族信託契約をしようと思っているが、お父さんは、どう思う?」なんていう切り口で、相談してみると、親の方も家族信託について考えるきっかけになるのではないでしょうか。
 
 

まとめ

 


家族信託のメリットについてのおさらいです。

成年後見制度より柔軟に家族の資産を管理・運営・処分出来る家族信託。

どれだけの(何の)資産を、どんな目的で、誰に委託するのかをきちんと吟味し、実際に家族信託を行う必要の有りなしも含めて、よく考えて利用したいですね。

実際、適切な受託者のなり手がないと、しようがありません。

また家族信託は、実際に財産を手にするわけではありませんが、みなし財産として、課税対象となることも知っておかねばなりません。

兄弟姉妹が複数いるような場合は、事前に話し合わないと、親と一部の兄弟姉妹だけで事をすすめると、相続以前に親子の間で確執が生じてしまう恐れもあります。

確かにデメリットもあることは事実なのですが、委託者の思いを本人と話合えるうちに、または、委託者が正常に遺言書を作成できるうちに家族信託を選択するので、より現実の生活に即した対応が可能になると思います。

今、元気なうちに、これから先の対策について考えた時、家族信託という選択は、非常に有効的なものといえるのではないでしょうか。
 
 

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